組織のNo.2を外部から採用するべきか、プロパーを育てるべきかは、企業の状況や文化、成長フェーズによって異なります。どちらにもメリットとデメリットがあるため、以下の要素を考慮して決定することが重要です。
1. プロパーを育てる場合のメリットとデメリット
メリット:
- 企業文化の理解: プロパー(自社で育てた社員)は、企業文化や価値観に深く馴染んでいるため、トップと連携しやすく、他の社員にも自然にリーダーシップを発揮しやすいです。
- 長期的なコミットメント: 長年会社で働いてきた社員は、組織に対する愛着が強く、長期的な視点で事業を見守りながら運営できる。
- 社内ネットワークの活用: プロパーは既に社内の人間関係や組織の機微を理解しているため、意思決定や調整がスムーズ。
デメリット:
- 新しい視点の欠如: 長期間組織にいることで、固定観念に縛られたり、新しい視点を欠いたりする可能性がある。
- 経験不足: No.2の役割には高い経営スキルや広範な経験が求められることが多く、プロパーがそのスキルや視野をまだ十分に持っていない場合は、育成に時間がかかる。
2. 外部から採用する場合のメリットとデメリット
メリット:
- 新しい視点と経験: 外部からの採用は、異なる業界や経験から新しい視点を持ち込み、組織にイノベーションを促進できます。特に、成長や変革が必要な時期においては、この視点が非常に貴重です。
- 即戦力: 外部で既に同様の役割を果たしていた人材を採用することで、すぐに結果を求められる環境下でも対応できる即戦力として期待できます。
デメリット:
- 文化的適応の難しさ: 企業文化に馴染むのに時間がかかる場合があり、既存の社員との調整に時間やエネルギーを要することがあります。
- 長期的なコミットメントの不確実性: 外部から来たNo.2が、必ずしも組織に長期的に貢献するとは限らず、一定の期間後に退職するリスクも存在します。
決定のポイント:
- 組織が変革期にあるか、安定期にあるか:変革や急速な成長が必要な場合は、外部からの採用が有効。安定期や既存の強みを活かしていくフェーズでは、プロパーを育てるのが効果的です。
- プロパーの成長ポテンシャル:社内に強力なリーダー候補がいる場合、彼らを育成することは組織全体のモチベーションを高め、長期的に安定したリーダーシップを確保できます。
3. 組織のNo.2に相応しい人柄・資質
No.2の役割は、リーダー(No.1)をサポートしながらも、自らリーダーシップを発揮し、組織全体のバランスを取る重要なポジションです。以下のような資質を持った人材が適しています。
1. 信頼性と誠実さ
- No.2はNo.1と緊密に連携するため、トップからの信頼が不可欠です。誠実な性格で、透明性を持って行動し、倫理的な判断ができる人物が適しています。
2. リーダーシップとフォロワーシップのバランス
- 自らもリーダーシップを発揮できる一方で、No.1のビジョンや決断をサポートするフォロワーシップも必要です。組織全体を俯瞰し、必要に応じて自分の意見を発信しながらも、最終的な決定を尊重できるバランス感覚が重要です。
3. 冷静な判断力と感情のコントロール
- No.2は組織の様々な課題やトラブルを解決する立場に立たされることが多いです。プレッシャーの中でも冷静に物事を分析し、的確な判断を下す能力が求められます。感情を制御し、部下や同僚に安心感を与えられる人柄が必要です。
4. コミュニケーション力と調整力
- 組織全体をまとめるためには、強いコミュニケーション力が必須です。部門間の利害調整や、トップとの意思疎通、そして部下への指導など、広範な層との関わりが求められるため、柔軟な対応力と高い共感力を持つ人物が適しています。
5. 戦略的思考と実行力
- No.2には、組織全体の戦略を理解し、それを実行に移す能力が求められます。長期的な視点で計画を立て、それを具体的なアクションに落とし込む力が必要です。また、現場の状況も把握し、適切な改善策を打てる実行力も重要です。
まとめ
- プロパーを育てるべきか、外部から採用すべきかは、組織のフェーズに応じて決定するのが理想です。プロパーは組織文化に精通し、長期的なコミットメントが期待できますが、新たな視点やスキルが必要なら外部の人材を採用することが効果的です。
- No.2に相応しい人材は、信頼性、バランス感覚、冷静な判断力、強力なコミュニケーション力、そして戦略的思考を持つ人物です。